あたまのかたち

頭のかたち外来

頭の変形は自然になおると乳児健診でいわれ、我が国であまり注目されてきませんでした。しかし昨今、乳児のうつ伏せ寝による突然死症候群が問題になり、日本や西欧ではこれらのトラブルを予防するために仰向け寝を推奨しました。これに伴い、頭部の頭位性変形(寝ぐせ変形)が問題となり、西欧ではいち早く、乳児期ヘルメット矯正治療が一般化し、日本でも矯正治療を行う医療機関が増えてきております。頭位性変形は有病率46%で、治療対象となる中等症以上は20%と報告され、潜在的なヘルメット矯正治療対象者が多くいるとされています。この頭位性変形は見た目の変形に加え、左右の耳の位置異常を伴うことがあり、眼鏡等がずれ易くなり、成長発達後の咬合不正や歯並びの異常の原因となることが報告されています。いちき串木野市医師会立脳神経外科センターには頭のかたちに精通した小児脳神経外科認定医が常勤で在籍しており、地域の要望を受け、頭のかたち外来を開設しました。いちき串木野市および近隣の乳児に対し、治療の機会を提供できればと考えております。頭位性変形のヘルメット矯正治療は生後6ケ月までの早期治療が有効です。乳児健診等で頭部変形を指摘されましたら、お気軽に当センターへご相談下さい。完全予約制となっておりますので、下記の相談窓口にお電話にてご予約をお願いします。

ご相談、ご予約

いちき串木野市医師会立脳神経外科センター代表

0996-32-9999

ヘルメット治療の原理

ヘルメットの構造は外層のシェルと内層のクッションに分かれます。装着することで、ゆがみ部分に空間をつくり成長を促進させます。力を加えて頭蓋骨を変形させるわけではありません。

頭位性斜頭(変形)の重症度分類

後頭部の圧迫による平坦化から始まり、⽿の位置の前⽅へのずれ、前頭部の突出、側頭部もしくは頭頂部の突出の順で頭蓋が変形します。後頭部が平坦になる(いわゆる絶壁頭)になる場合もあります。しかし中には頭蓋⾻縫合早期癒合症という本来乳児期には開存している頭蓋⾻の縫合が癒合してしまう病気や⼩頭症という脳の発達の遅れる病気のことがありますので、レントゲンや頭部CT検査が必要な場合があります。頭蓋⾻縫合早期癒合症の場合は⼿術が必要な場合があります。下図はアルヘンタ(Argenta)分類で重症度を⽰しています。type1は⾃然に軽快することが多いですが、type 2以上は変形が残る率が⾼く、ヘルメット適応とされています。

  • type1 後頭部の平坦化のみ
  • type2 type 1に加え、耳の位置の左右差
  • type3 type 2に加え、前額の前方突出
  • type4 type 3に加え、頬の突出、顔面左右差
  • type5 type 4に加え、側頭部もしくは頭頂部の突出

ヘルメット治療の流れ

保険診療

頭のかたち外来にて頭部レントゲンや頭部 CT 検査を⾏い,病的な頭蓋変形を除外します。

自由診療

保護者の⽅にてヘルメット矯正治療を希望され、⾃費診療に同意された場合に次回再診⽇から⾃由診療となります。初診時にヘルメット作成のために3D カメラで頭部の3次元データを取得し、ヘルメットを作成します(10⽇間程度)。 ヘルメットができれば装着指導を⾏い、1ケ⽉おきに外来再診して、頭⽪のチェックや装着具合を評価します。1⽇23時間の連続装着を⽬標に3〜6ケ⽉後に治療終了し、再び3Dカメラで改善度を評価します。

ヘルメット矯正治療の適応

ヘルメット治療開始時期はおよそ⽣後3〜6ケ⽉で、それ以降は適応が乏しいと考えます。治療期間は開始が早い場合には早く終了します。およそ3〜6ケ⽉間、装着します。適応にはアルヘンタ分類やCA、CVAI、CI等の指標を参考にご両親と相談して決めます。

1. CA、CVAI(斜頭指標)

2. CI (短頭指標)

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